日詰まつり
日詰まつり


〜志賀理和気神社例大祭〜



日程:
2001年8月31日(金)〜9月2日(日)


場所:紫波町日詰 町内

交通機関:
 ◆バス(日詰駅行きに乗って「日詰」で下車)
  <停留所と祭り会場>
    日詰学校前…鍛治町皇大神宮
    日詰   …日詰商店街中心部
    赤石神社前…志賀理和気神社
   
 ◆車
   pm6:00ごろから交通規制あり pm4:00ごろの会場入りがお勧め

 ◆電車(紫波中央駅下車)
   →東に徒歩10分→日詰商店街

内容:
 志賀理和気神社例大祭を中心とした日詰町市街地全体のお祭り。
 数々の芸能が出るほか、山車も見もの。
 盛岡から近く交通の便のよい場所で芸能の門付けを見られる貴重な機会。

 …山車&芸能好きの“けんちゃん”が「日詰まつり」のレポートをくださいましたので紹介します。
  内容は“例年の様子”を主にしており、必ずしも“今年も同じ”とは限りませんのでご了承ください。


Check the 日詰まつり!!

 〜日詰まつり(志賀理和気神社例大祭)

▼日詰地区は古来から商業の町として発展してきたため、農業地帯のように沢山の郷土芸 能があるわけではありません。そこで周囲の部落から芸能を招いたりしていましたが、近 年はそれもあまり見られなくなりました(町単位のお祭りではないので呼びにくいそう です)。
▼日詰地区の芸能として語りうるものといえば、山車を曳く際のお囃子がまず挙げら れると思います。日詰まつりに登場する4台の山車組のお囃子は全て異なっており、この ような例を他の地方に見つけることはかなり困難と思われます。
▼また、町内伝承の鍛治町さんさ踊については、平成12年3月に銭形平次でおなじみの 神田明神に踊りを奉納し、伝承の機運が高まっています(紫波町は「銭形平次捕り物帳」 の作者 野村胡堂の故郷として知られています)。
▼みちのく芸能ごよみをごらんの方々につきましては、ぜひ一度日詰のお祭りにおこしい ただいて、「こんな芸能が見たいぞ。」とか、「このスペースでこれができるぞ。」など などご批判・ご意見等お寄せいただきますよう、日詰町民の一人としてお願いする次第です。
 [注:けんちゃんは町観光課や観光協会の職員ではありません]

@出演する芸能について
1.桜町田植踊
 紫波町の代表的な芸能である山屋部落の座敷田植踊から「仲踊と早乙女」を特にピック アップして、赤石神社の氏子衆が踊ります。また、過去にこのテの演芸奉納において、 「七福神舞」が奉納されたそうですが…。とにかく、座敷田植のクライマックスの仲踊・ 草乙女舞・引き端が演じられるので、座敷田植を見たいという方にはガイダンス的芸能と して作用するでしょう。
(初日 志賀理和気神社境内神楽舞台にて18:30より)

2.鍛治町さんさ踊り
 戦前戦後を通じて日詰祭りの余興として踊られてきた芸能です。踊は次の10演目。
<入れ庭>祝い舞崩し・よしゃれ崩し・田植え舞崩し・鹿踊崩し・駒踊崩し・鬼剣舞崩 し・奴踊崩し・七夕舞崩し・念仏舞崩し・大神楽崩し<退き庭>
 特徴としては、一八の教え踊りがかなり早いテンポで行われる事、回転が中心の軽快な 踊りであること、「やっこらきたこらやっせ」という独特の掛け声、大きな傘を脇にかざ すことなどが挙げられます。黒川や船久保をはじめとして、様々な部落の伝統さんさの長 所を取り入れており、廃絶・復活の過程を経ている芸能のことを考えると、かなりの歴史 を持った芸能といえるのではないでしょうか。
(二日目 18:45ごろ鍛治町皇大神宮 19:10ごろ日詰商店街ヒノヤタクシー前
 最終日 20:00過ぎから日詰商店街を上組の山車について北上、4・5回演舞)

3.しんがく
 “しんがく”というのは神楽の一演目。直面・脱ぎ垂・袴姿の複数の舞手が幣束を手にして権現様といっしょに舞います。紫波町内に伝承の赤沢・星山の二つの神楽団体が、
 二日目 お通り(夜間パレード)について巡幸
 三日目 日詰商店街にて門付け
を行います。
(お通り…二日目19:10スタート ・ 門付け…最終日20:00ごろ)

4.赤沢神楽(早池峰岳流)
 江戸時代から続く紫波町の老舗神楽です。いい感じに枯れていて良いです。本家の岳 神楽より若干荒削りなので、かえって年季が入っているように感じられ、古びた神楽舞 台に良く合います。
(*8月27日18:00ごろから、町内来迎寺の三寶荒神に奉納…幟が立っています。
  演目:「鳥舞」「翁」「八幡」「岩戸舞」「権現舞」が例年のパターン
 21:00頃終了
 *最終日 志賀理和気神社神楽舞台にて am10:00より

5.その他
 早池峰大償流星山神楽の奉納…激しい舞を得意とする丁寧な芸風
 <予備情報>過去に当例大祭神輿渡御についた芸能
    紫野鹿踊・二日町鹿踊(平成9年)・宮手鹿踊(平成10年)


A山車
 芸能として山車囃子をとらえて書いてみました。各々の組に独自の特色があるほか、日詰地区全体としての特色もあります。
1.上組 
<囃子の特徴>
・小太鼓は6人で、撥をそろえて弾ませるようにたたく。
・大太鼓は3人で1つの太鼓をたたく。”まわし”という腕を半円を描くようにしてあげ るたたき方が特徴で、体の伸縮を利用したダイナミックなもの。
・笛のメロディーは二戸方面にわずかに残っている程度の珍しいもので、これに大太鼓の リズムを示す笛が入る。鉦を二つ使っており、響き方がそれぞれ違うので独特の雰囲気に なる。

2.一番組
<囃子の特徴>
・小太鼓は5人で、右手を高く上げてたたく。
・大太鼓は4人で2つの太鼓をたたく。上組とは違った"まわし”が用いられ、飾りの少 ない盛岡系のたたき方。
・笛のメロディーは他では見られない素朴なもの。Aメロを2回吹いてから、Bメロを1回…の繰り返し。

3.橋本組 
<囃子の特徴>
・太鼓構成は一番組に同じ。ただ、小太鼓は音が高い。
・大太鼓の打ち手が跳び上がる。このリズムで山車がゆれるのは圧巻。
・笛のメロディーは盛岡の一般的な囃子に似ているが、より派手になっているのがわか る。全体的にかなり派手さの目立つお囃子。

4.下組
<囃子の特徴>
・小太鼓は上組に同じ。
・大太鼓は4人で1つの太鼓をたたく。撥をあわせてたたくのが特徴。
・笛のメロディーは平成9年に新作されたもの。

※掛け声
 上組と橋本組に色濃く残っている独特の掛け声があり、大変勇ましい。下組はその一部 を改変しており、一番組は大太鼓のみ掛け声がかかる。日詰地区独特のもので、大太鼓の リズムにあわせたもの。

※照明
 日詰の山車組の照明技術は県内有数のものがあり、特に蛍光灯に松や桜の色をつけたも のは県内では類を見ない。また、橋本組では大太鼓のたたき手が真っ白い衣装を着てお り、これはパレードの際、照明の仕掛けを引き立てるものであるが、見てのお楽しみ。下 組では夜間運行にからくりを用いる事が多い。

※山車の作風
 上組 …古型。盛岡紺屋町系。
 一番組…盛岡型。桜がやや大きめ。
 橋本組…盛岡型。城西組系。桜がやや小さめ。
 下組 …一戸橋中組系。
 
 〜最後に〜
 日詰まつりのお通りは夜に行われます。商店街に山車が集結するのも夜です。日詰まつ りはかなり夜を意識しておりますので、お越しになるのは夜が良いかと。的屋さんも沢山 商店街に出ておりますので、そちらの方もお楽しみください。
 

  ※2001年度の山車の演目はこちらを参照!!
   
  
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…というわけで、けんちゃんに感謝。
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