岩手県政 2013年度予算案を見て
岩手県政 2013年度予算案を見て

岩手県政 2013年度予算案を見て 2013年2月24日

「民俗芸能はなぜ守られなければならないのか」
といった点はさておき、 「民俗芸能を守るために、どんなことが世の中で行われているか」 を考えることがよくあります。
とりわけ、行政がどんな役割を果たしているかに関心があります。
というと
「文化財行政の話か?」
と思われるかも知れませんが、私はどちらかといえば
「民俗芸能を守る大前提として、農漁村をはじめ地域の経済と暮らしが守られているか」
に目が行きます。

で、年度末を迎えるたびに
「さて、国・県・市町村の来年度予算はその点でどうなるんだろう」
と気になるんです。
が、あんまりきちんと情報を集めたことがありません。
まあ、経済対策や社会福祉対策から民俗芸能への影響を読みとるのは難しいし。

となると、やはり民俗芸能にかかわる文化財行政のおおまかな傾向ぐらいは知っておきたい。
本当はそういうのは、研究者の方々が私たち一般庶民にもわかるように解説してくれればいいのですが。

そんなわけで、19日から開会した県議会にむけて出された岩手県の「平成25年度 当初予算のあらまし」を見てみました。 具体的に政策が出ているのは「重点的に取り組む政策」の箇所。

「(1) 「復興計画」に掲げた復興の基盤となる取組の実施を加速」の中の「暮らしの再建」の中の「V 教育・文化」の中の「文化芸術環境の整備や伝統文化等の保存と継承」の中に、
「郷土芸能復興支援事業費補助」(政策地域部 30 百万円)
被災地における郷土芸能活動の保存・継承を支援するため、郷土芸能団体等の活動再開に要する経費を補助

があります。

それから・・・、

「(2) 「復興計画」と軌を一にした「いわて県民計画」の着実な推進」の中の「学び・こころ」の中の「X 教育・文化」の中の「文化芸術の振興」の中に
「いわて文化芸術王国構築事業費」(政策地域部 5 百万円)
地域の文化芸術の振興を図るため、広域圏単位で文化芸術コーディネーターを設置

と、

「文化財保護事業費補助」(教育委員会 33 百万円)
文化財の適正な保護と活用を図るため、国・県指定史跡の公有化を促進するとともに、指定文化財の所有者が行う修理等に要する経費を補助

というのがあります。

それぞれ、どんな中身なんでしょうね。
あんまりよくわかりません。
もっと詳細な予算を見ないことにはわからない仕組みなのでしょうか。
他にも何かあるのかな。

さて、「みちのく芸能ごよみ」管理人としては、
「芸能団体の皆様に役立つこんな補助金がありますよ」
という情報をお知らせするまとめページをサイト内に設けようかなあ・・・とか思ったことがこれまでに何回もあります(東日本大震災前から)。 でも、それだけだと、けっきょくは補助金待ちなんですよね。
地域のイベントに行政からお金が出なくなっている実態がそれで解決されるわけじゃないわけですよ。
やっぱり、施策の提言をするぐらいじゃないといかんよなあ、と思ったり。
そのためにも、いま現在の制度や現場の要求をよく知ることが大事だなあと思ったり。
・・・と、あれこれ思うばかりで、何もしておりません。
民俗芸能って研究対象にはなっていたり、文化財行政の対象にもなっていたりする割には、あんまりこういう話題が出てこないのはどういうわけでしょう。

※参考資料

平成25年度当初予算のあらまし



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