11月の日記
11月の日記
♪管理人の日々のできごとや、考えたことを掲載します。
 芸能を実際に見てきての報告も、たまには載せます。



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2001年11月25日(日)
黒森神楽舞い納め   
 黒森神楽の舞い納めにいく。仕事がつまっているのでなんだか落ち着かないまま、とにかく宮古へ。このところ暖かい日が続いており、会場の山口公民館の中もぼへーんとしている。前に座ったおっちゃんがサイカチを持っている。セッケンにするのでひろってきたらしい。
 矢太寿は昨年の舞納めではじめて見てとてもいいと思ったのだが、期待以上に良かった。「式舞を見てるな」って感じがして、全体のプログラムを通して見る上での見る側の気分の持ち方に、すごくプラスになる演目のような気がする。
 三番御神楽は、2人の舞手による御神楽のとちゅうで三番叟がはいってくる…といった不思議な構成だが、この三番叟がいわゆる山伏神楽の三番叟ではなくて、太神楽っぽい三番叟。笛の音使いもここだけは太神楽っぽくなる。深い。
 狂言の"信田の森"は、ヨソでは"狐つり""狐とり"と呼ばれる類のお話。とりわけ、道化のサンスケという役が絶品。アホなくせに上司に不平をぶーぶー言うキャラが、面の表情とぴったり合ってる。私もかくありたい。
 終わるとすぐに盛岡へ逆もどり。師走を控えてわたわたしている身にとっては、宮古が別世界に思える。


2001年11月23日(金 祝)
第3回気仙郷土芸能まつり   
 三陸町が大船渡市と合併して間もないが、その"元"三陸町の中心地である越喜来へ第3回気仙郷土芸能まつりを見に行く。
 天気は薄曇だが、沿岸南部は暖かい。開演15分ぐらい前に入場するが、数百名がはいるこの地域にしては大きな会場も、すでに満員。追加のイスをスタッフが並べるが、それでも立ち見客が大勢出てしまう。
 新生・大船渡市長のあいさつの後、開演。各演目の感想は…

廿一田植踊り
 これは宮城県気仙沼の芸能。他県のコトは何にも知らないのでぜんぜん期待しないで見る。なんか田植踊りって子供達の芸っていうヘンな先入観もあるもので。
 と、いきなり大のオトナがぞろぞろ登場。烏帽子をかぶった虎舞の"和唐内"のようなヒゲを顔にかいたおっちゃん2名が、"えんぶり"のジャンギのようなものをジャグジャグならしているのが目立つ。囃子がとまり、問答。先述の和唐内おやじが大またで上手から下手、下手から上手…と歩きながら、顔はしっかりと客席の方に向けてでっかい声で問答をくりひろげる。そして、踊り。唄のサビが「とーてつーかーつんつかつーんー」というスキャットになっている。手踊りで見得を切るような型のところでは、会場から笑い声があがる。大まじめなところがかえってウケるようだ。なんてインパクトの強い芸能だ。もういっぺん見たいぞ。

長安寺太鼓
 曲打ちもけっこう入ってはいるんだけど、創作太鼓にしては装束や打ち手のカラダの姿勢が脱力していて、わりといいと思う。

小通鹿踊り・舞出鹿踊り
 いずれも行山流の太鼓系鹿踊り。金津流のような群舞としての複雑さや音圧でみせるというよりは、こまやかな足さばきが見せ場。

延年の舞
 演目は「老女」。前にテレビで一部分を見たことがある。この芸能は伴奏が現存しない。私は芸能というのはやっぱ音があってこそだと思うので、いまいちこの芸能の魅力がよくわからなかったのだが…。暗い舞台に老女が登場。その歩き方だけでやばい。舞台中央で鈴を手に取る。そのしぐさに鳥肌がたつ。ゆったり。ゆったり。ひとしきり舞ったあと、退場。よくわかんないけどすごかった。あれはただの老女じゃなくて、特殊な老女をえがいてるのかな。

大股神楽
 分類については「南部神楽」と称しているが、江刺から伝わったという大償系の神楽。演目は鳥舞。出演は女の子2人。見てみると南部神楽ではなく、いわゆる広義の早池峰系と呼ばれるものではあるが、大償神楽とはだいぶちがう。ずいぶん短い鳥舞で、すぐに終わってしまった。他の演目も見てみたい。

吉浜剣舞
 ものすごく特徴があるらしいという話を陸前高田に詳しい知り合いからきいていたのだが、以前に見たことのある気仙地方の剣舞と比べてものすごく特徴があるという感じはしなかった。気仙地方の剣舞は、ひととおり踊りがおわって最後に短い念仏と囃子が唱されるのがいい。"盆"って感じがする。


用事があったので、浦浜念仏剣舞を見ずに退席。気仙の芸能の魅力をちょっと垣間見ただけだが、ぜひ盆の剣舞や正月の田植踊りを現地できちんと見てみたいものだ。


2001年11月17日(土)
用心   
 劇団ゼミナールのアトリエ公演「どんなに用心しても用心しすぎるということはない」を見に行く。
 観客はに見に行ったときのように満杯ではないが、全体的に年齢層が低い点は前と同じ。
 出演者は1人の男と2人の女の計3人。前半は二股ネタのお笑い、後半は重層的なだましあい。いずれもそんなに目新しいインパクトはないんだけど、ほどよく笑えてほどよく左脳を刺激する感じ。私にとって劇団ゼミナールというと「名前がいかつい」→「お笑い劇団」→そして今回「ほどよい劇団」とイメージが変わった。自分のばあいひたすら笑うだけのものを見たいかとそうでもなく、門外漢なりに脚本の妙もちょっと楽しんでみたいという期待をもって劇場に足を運ぶものだ。そんな自分の興味・関心にはなじむ劇団だなあ、と改めて思った。
  ※“…用心…”公演は2001年12月2日まで。
    劇団ゼミナールサイト参照  



2001年11月12日(月)
反復   
 から、頼んでいたCDが送られてきた。 このたび送ってもらったのはアブドゥーラ=イブラヒム(以前 はダラー・ブランドと名乗っていた)というジャズピアノの人 の一連の作品。ラジオで耳にしたのをきっかけに一枚入手して みたらヘビーローテーションになってしまい、ネットで検索し てわかった範囲の一通りの作品を親に注文してみた。
 が、結局、送られてきたのはその一部。どういうことだが親に きいてみると…
「あんたなあ、なんでそんなマイナーなんばっかりいうのん」
「なんしにー。アブドゥーラ=イブラヒムゆーたらミニモニと並んで 女子高生に大人気やがな」
「あほげなことゆうとらんと。大体な、ネットに載っとんは廃 盤ばっかりやで。うちもたまにネットで調べたいうて来るお客さ んおるけど、調べて『ない』いうと『なんでないねん』いわれる ねん。かなわんで」
「はあ。かないませんなあ」
ということだった。
 それにしてもアブドゥーラ=イブラヒムは良い。反復が多い から。反復が多い音楽というのは気持ちいい。前に菜園のクラブの 店長と話したときにもそういう話になった。その人は「わたし、だ から電車の音がきこえるところに家えらんだもん」とまで言ってい た。
 ところで、民俗芸能で私がもっとも反復の楽しさを感じるのは やっぱり神楽。神楽のあの反復の音というのは、かなり踊れる。お祭 に神楽を見に行くと、酔っ払ったオヤジが神楽殿の横でお囃子にあ わせて踊っているが、気持ちは非っ常ーによくわかる。
 三本柳さんさの師匠方がこんな会話をしてたこともあった。
「あの七頭舞はいがっけー」
「んだ。だっれ、神楽拍子だおんや」
神楽のお囃子というのは他ジャンルの民俗芸能の演じ手たちにとっても特別なものがあるらしい。
 それにしても、神楽の囃子から派生したフリースタイルな盆踊りというのはないのかなあ。まだ神楽殿の横でオヤジたちと一緒に酔っ払って踊る肝は据わってないので…。



2001年11月4日(日)
川井村郷土芸能祭   
 川井村郷土芸能祭を見に行く。川井村というのがどういうところかというと…これは地図を見てもらったほうがいいかも。要は西・南・東を盛岡と遠野と宮古ではさまれてる場所。なわけで、いろんな味がする文化圏なわけだ。
 川井の芸能に接したのは、昨年の盆に見た「御戸入」が初めて。そこで衝撃をうけまくって昨年の芸能祭も見にいったが、その後、1年間はご無沙汰していた。
 で、今回の感想は…こと細かに書くとキリなさそうなのでやめるけど、なんといっても“音”がいい。それから、観客もただ「身内だから見にきた」といった感じではなく、楽しむところではホントにみんな楽しんでいる。そういう中で、踊り手も気合いれて演じている。
 それから、えーと、川井村って盆をとても大事にしてるんだな、って感じがする。盆関連の芸能の、盆フレーバーな箇所が特にいい感じ。
 さらに話がとぶけど、川井村の多様な鹿踊りをいくつも見ているうちに、鹿踊りの鹿ってあの世とこの世の境界を行き来する聖獣なんだなあ、と感じた。だから盆に鹿踊りなんじゃないかなって。
 うーん、とにかく、すげえ圧力だった。この芸能祭をまるごと「北上みちのく芸能まつり」の会場に持ってったらみんな腰ぬかすだろうな、とか不謹慎なこと思った。昨年はずっとビデオを撮ってたのであまり舞台に集中できなかったけど、今回はじっくり見ることができたし…。いや、見る側の自分の問題よりも何よりも、演じている各団体が昨年以上にスキルアップしてるんじゃないか?若手が着実に力をつけてる感じがする。ってことはこれから先に期待が持てるってこと。










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