6月の日記
6月の日記
♪管理人の日々のできごとや、考えたことを掲載します。
 芸能を実際に見てきての報告も、たまには載せます。


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2001年6月28日(木)
  加賀野大日如来例祭
 大日如来例大祭 の岳神楽奉納を見に、盛岡市加賀野にある妙泉寺の大 日堂(大日如来)へ行く。
 岳神楽の奉納は例年は15時からだが、今年は岳の皆様が この奉納のあとに別のところで公演をおこなうため、14時 からとなった。が、いろいろとあって、例年どおり15時ご ろから始まる。式六番(←こういった用語については 神田先生の論文を参照)と権現舞を、間をおかずに上 演。
 いずれの演目も正確に舞いあげて、本家の貫禄を見せら れた感じがした。とりわけ鳥舞と八幡舞の端正な舞いぶり にその点を強く感じた。権現舞には権現様が2体お出まし。 2体いると、おめでたさも倍増するようだ。
 観客はピーク時で30人ぐらい。例年と比べると盛況の ようだ。盛岡で岳神楽を見られる数少ない機会なので、 情報が出回るようになればもっと多くの観客が来ることだ ろう。立派な神楽殿もあることだし、できれば演目も増や してさらに盛り上がるといいな、と思う(加賀野の方々にとっ てそれが良いかどうかは別として…)。いずれにせよ、こ ういった場を提供してくれる加賀野大日如来の講中の皆様 には心から感謝。
 



2001年6月24日(日)
  駒踊りフェスティバル
 大野村に「北奥羽駒踊りフェスティバル」を 見に行く。
 盛岡から北上する途中、少しだけ雨 がパラついたが、到着するとすっかり晴れている。会場は「 道の駅」の隣に広がる芝生の広場。開会30 分ほど前に着いたのだが、続々と人が集まっ てきている。芝生の周りの露店も開店を前 に早くも客でにぎわっている。
 芝生を囲むように敷かれたシートの前の方 に座る。暑い。直射日光の下、駒踊りばかり 延々と見つづけるのは肉体的にも精神的にも しんどそうだ。などと思っているうちに、あっ という間に公演は終わった。
 ホントにあっという間だった。実は「駒踊 りが9演目…まあ、どれも似たようなものだ ろう」と思っていたのだが、どれも似ていな い。どれも独特だ。型がちが う。囃子がちがう。衣装が違う。そしてそれ ぞれが良い。
 とても失礼なはなしだが、私の中には「駒踊 り=子供が踊るマスゲーム的な踊り」という先 入観があった。しかし、今回は大人による踊りも 多かったためか、その思い込みをくつがえされ た。今回みた駒踊りは群舞としてでなく一頭ご とを見ても、その動きを楽しめる。
 特に足の動きが美しい。足といえば、「駒踊り =跳ねる」という思い込みもあったのだが、今回 は「跳ねる」以上に「腰を落としてタメる」とい う動きのインパクトが強かった。
 岩手町南部踊り保存会は踊り手のリズムの取り 方が凝っている。本来なら4拍とるお囃子から8 拍ぶんを聴いて踊っている感じで、体を小刻みに アップ&ダウンさせている。つまり8ビートのよ うになるわけで、ハウスのようなノリが出ている。
 角浜駒踊りは前にも見たことがあるが、足の動 きが前よりもずっとはっきりしていて見ごたえが ある。駒の踊りに続く棒踊りは棒を激しく振り回 す踊りだが、今回は棒の動き以上に、やはり足さ ばきに目がいった。2人の少年が踊ったのだが、 跳び上がる動きで滞空時間を長く見せる工夫がな されている。
 また、どの駒踊りにも共通する演目・芸体はあ るが、その中でも明確な違いがあって、それが 見どころとなっている。例えば、「3頭の馬が互い 違いに行き来する」という演目をもつ団体は今回 もいくつか出演したが、その「行き来」の仕方は様々だ。 青森県倉石村の南部駒踊り石沢保存会(お馬さん画像を参照)は、全速で 走ってきた3頭がしっかりぶつかる。馬の頭が互 いに当たるので、「首のホネ折れるぞー」と心配 になるほどだ。
 その他にも、「八戸の高館駒踊りは衣装が激シ ブ!」「階上の赤保内駒踊りは笛が複雑だー」など など、新鮮なことばかりだった。同行した20歳前 後の若者2名も「すげーすげー」の連発。そんなわ けで、あっという間の3時間半だった。
 なお、観客は1000人以上は集まったようだ。盛岡 周辺ではほとんど情報を見かけなかったのだが、こ れだけ人が集まるというのはやはり駒踊りの魅力 によるものだろう。来年からはもっと盛岡周辺の 人たちにももっと伝えられたらいいな、と思う。

※久慈の夏井大梵天神楽は午前に権現舞、 午後に恵比寿舞を舞った。衣装もお囃子も雑味 がなくシンプル。これはかなりツボにはまる。 昼の休憩時間に控え室へ行き、権現様を拝みが てらこんな話をきいた。
「うちの権現様には雄と雌の2体がある。今日 のは雄。耳がない。この神楽は年に20回ぐら い上演の機会がある。昭和36年までは廻り神 楽もやっていたが、それ以降はやっていない。 いちばん多くの演目を上演するのは8月15日 の久慈夏井大宮神社例祭。2時間強、演じる。 いろいろな演目を演じたいのだが、だいたいは 時間をくれない。今日も恵比寿舞をやるが、本 来は40分のところを20分でやらなければな らない…」

2001年6月23日(土)
  仏壇のない家
 “架空の劇団”公演「仏壇のない家」を盛 岡劇場に見に行く。この劇団は盛岡を拠点と する劇団で、5年ほど前に解散したが、このた び復活することとなった。この「仏壇のない家」が 復活公演となる。
 私は“架空の劇団”のことは全然知らない。が、 主宰のくらもちひろゆき氏がミニコミ誌など に寄せている劇評や同公演のチラシに載せている 文章からは“眼が肥えているかんじ”が伝わってき た。今回の公演にはその肥えた感じを期待して見に 行った。
 舞台は寺の伽藍。父親が亡くなって、若くして住 職になった元高校教師の主人公。それぞれ別の寺に 嫁いだ主人公の姉・妹。主人公が勤めていた高校で 女子生徒を妊娠させてしまったことが発覚し…。と いったような話。
 基本的には場面転換をしないホームドラマだが、 それぞれの登場人物の背景にある情報量は多い。 しかし独白や説明的なセリフがないので、ラクに見 られる。それでも登場人物の設定がすっと頭に入る。 “何気ない雑用”といった様子で登場人物が舞台に 出入りするが、それが時間軸的にもムリなくはまっ ている。
 といった具合に、ほのぼのとした出来で、後味も すっきりした芝居だった。考えてみると、こういう 何気ない芝居のスクリプトというのは案外むずかし いものなのかもしれない。ものすごいインパクトが あるわけではないけれども、「上質な手のかかった ものを見た」という感じがする。この劇団の作品を ぜひまた見てみたいものだと思った。
 

2001年6月18日(月)
  新世代
 三本柳さんさ保存会の練習。
 今日から新メンバーが加わった。小学 校低学年ぐらいの女の子だ。現在、保存会の 練習には毎回4,5人の小学生が来ている。地 域の小学校でもこの踊りにとりくんでいるら しいのだが、その上、わざわざ夜にも踊りに 来る子供たちというのはすごいものだ。自分 が小学生のころは「そんなヒマがあったら家 でゴロゴロしてるぜ」という感じだったもの で…。
 しかし、まったくの初心者に向けての踊り の練習というのは保存会ではこのところやっ ていない。途中から仲間入りする子供はさぞ 大変だろう。と思いきや、新入りの小学生に、 古参の小学生がさっそく型を教え始めている。 しかもちゃんと口拍子(太鼓の音)をいいな がら、動きを短めに切りつつ、「ここは跳ね るのと一緒に手をさげてー…」と教えている。 この子たちはいったいどこでこういう教え方 を身に付けているのだろうか。しかもクセな く正確に伝える。
 私も改めて一から小学生に教わりたくなった。



2001年6月17日(日)
  高松神社例祭
 盛岡市高松神社の例祭へ行く。目当ては 赤沢神楽の奉納。この神楽は紫波町に伝わ る早池峰岳流のもの。私は昨年の高松神社 の例祭に続いて、今日で二度目だ。
 13時すこし前に神社につくと、神楽殿には もうすでに幕が張ってあり、太鼓も出ている。 すぐにでもはじまりそうな感じだ。13時を 少しすぎ、神楽がはじまる。最初は八幡舞。 60代らしき熟練した2人の舞手が舞う。体が崩れ すぎず硬すぎず、いい舞ぶりだ。
 一演目終わると10分ぐらい休憩がはいる。 その間に人からきいた情報によると、どう やら午前中の10時ごろに2演目をすでに奉納し たらしい。看板には確かに「13:00〜」と書 いていたのだが…(芸能ごよみの詳細情報 を参照)。まあ、そういう予定外の出来事も 祭りを見に行く楽しみではあるが、芸能ごよ みに看板どおりの時間を載せておいた手前、 どうにも始末がわるい。
 続いて岩戸開。この演目にはとても長い舎 文(囃し手が吟じる言葉)が途中で入る。そ の間は笛・太鼓・鉦の囃子も止まる。うなる ような舎文の声と鳥の声と辺りの雑音ばかり がきこえる。神楽殿では舞手がゆったりと体 を動かしている。見ている私達にも囃子手に も均等に眠気が降りてくる。この場所とかい まの時間とかいったようなものごとのとらえ かたが遠くなっていく。
 最後に権現舞と演じて終了。のんびりゆっ たりしたお祭りだった。今回は岩手大学の学生 や若い人も見にきていたので、今後は徐々に 見物人が増えるかもしれない。盛岡の街中で こういう神楽を見られることの価値が少しで も広まればよいものだと思う。
 

2001年6月16日(土)
  身体と歴史
 レゲエとヒップホップのイベントがある ので、久々に盛岡市菜園のDJ BAR DAIで出 かける。
 今回は東京からレゲエのサウンドシステム (レコードを選んでまわす人の集団)とダン サーがくるとのこと。私が店に入った23時以 降の全体の流れは

 盛岡のサウンドシステムによるプレイ
        ↓
 盛岡のDJによるHIPHOPのプレイ
        ↓
 ダンサーたちによるショウ
        ↓
 ゲストのサウンドシステムによるプレイ

というものだった。
 このうちダンサーたちによるショウは、盛岡 のレゲエダンサーによるショウとハウスダ ンサーによるショウ、そしてゲストのレゲエ ダンサーによるショウという順番。
 このうち、盛岡のレゲエダンサー(女の子4人 組)たちは年が若いということもあってか迫力に 欠いた。特に、ダンサー同士が互いにチラチラ目 で確認しあったり、視線が泳いでいたりする様子 が気になった。続くハウスの場合、アイコンタク トはあるのだが、こちらは気にならない。ジャン ルによってそういう点の許容度の違いはあるのだ ろうが、前者のレゲエダンサーたちの場合はそ れらの様子に「恥じらい」や「自信のなさ」が出 てしまっていたのが問題だ。まあ、ほとんど裸に 近い格好で踊るのだから恥じらいを感じずにはい られないだろうが…。逆に、トリをつとめたゲス トのレゲエダンサー(2人組)は観客に向いてア ピールするものがしっかりとある。メイクを直す ジェスチャーなど具象的な動きも多用していて、 それぞれの役割がはっきりしている。
 盛岡では観客相手に演じられるクラブ系・スト リート系のダンサーはまだまだ男性が多いのが実 態のようだ。今後、骨太な主張をもつ女性のダンサーが 盛岡のシーンにより一層ふえることを期待したい。
 




2001年6月10日(日)
  大乗神楽大会
 仕事が予定より早くきりあがったので、 北上の“鬼の館”へ 大乗神楽大会を見に行くこととする。
 会場に着くと、14時30分すぎ。村崎野大 乗神楽が“地割”を演じている最中。玄関 脇のひさしがある30畳ほどのスペースに舞 台と客席を設けている。下手側と舞台奥と の二方が壁で、残る二方は外から丸見え… という会場。あいにくの雨とあって観客が 40人ぐらいしか来ていないので、がらんと した感じがする。また、壁にあたった音が ガンガン響く。というわけであまり恵まれ た条件ではないが、客席と舞台が同じ高さ というのは良い。すいているので、前方の 左端の辺りに空いている座布団を探して座 る。
 村崎野大乗神楽はいずれの演目も20歳前 後の若手が演じる。特に“荒神舞”は阿修 羅のように3方に顔がついた面をかぶり、舞 台の四方に舞いながら幣束を立てていくと いう重厚な舞い。このように高度な演目を 若手に任せるというのは今後のことを考え れば適切な判断だろう。また、上宿和賀神 楽の“大乗の下”も10代後半の若手が演じ る。大乗神楽では後継者への伝承に具体的 な努力がされているようだ。囃子も若手が うまくひきつげれば、もっと活気づきそう に思う。
 プログラムの終盤のほうに見ごたえのあ る演目が続く。和賀大乗神楽の“七五三” は若手・中堅どころがキレ良く演じる。 “鬼剣舞は好きだけど神楽はよくわからな い”という人にもとっつきやすく、かつ重 みもあるので、広くおすすめしたい演目だ。 つぎの“榊舞”は、本来的な演目の並べ方 についての配慮から、“大乗の下”の後に 演じるよう変更になった。
 今日の榊舞は3月に見たとき とは別の方が演じる。時間の関係もあって 前回よりも省略して舞っているらしいし動 きの感覚も違うが、これまた良い。
 村崎野大乗神楽の“荒神舞”を舞った若者も、 和賀大乗神楽の“榊舞”を熱心に見ている。 そういえば、逆に和賀大乗神楽の人たちも 村崎野大乗神楽の“荒神舞”を舞台そでから じっと見ていた。この大会は参加者どうし、 お互いの舞をよく見ている。大乗神楽を全 体として高めていく良い研鑚の場になって いるようだ。  




2001年6月9日(土)
  黒崎神社例祭
 今日はチャグチャグ馬っコの日。この行 事は例年6月15日におこなっていたが、今 年から6月第2土曜日に移された。これにつ いては賛否両論ある。が、とりわけよく耳 にしたのは「チャグチャグ馬っコの日は毎 年必ず晴れるが、今年はずらしたからバチ が当たって土砂降りになるぞー」という話 だ。
 しかし、馬っコのご利益なのか、今日は しっかり晴れた。馬も何事もなく歩いたら しい。観光客も大勢きたとのこと。まあ、 土曜日に休める人にとっては良いのだろう が、“はんどん(土曜日に午前のみ出勤する という意味の死後)”の職場につとめている 私は今年も馬を見ずじまいだった。盛岡に住 んで8年目だが、結局まだ馬っコを見たことが ない。
 ともあれ午後は休みなので、宮古の黒崎神社 例祭へ行く。17時半ごろに、黒崎 音部の 民宿に到着。神社周辺では食べ物もないだろ うということで、あらかじめこちらに夕食を お願いしている。
 焼きウニ・アワビなどのおつくり・焼き魚な ど、うまいもんを食って良い気分になっている と、いつの間にやらずいぶん時間がたっている。 上り下りとカーブが続く半島の道路を、重い腹 をさすりながら「う゛げぇ〜」と15分ぐらい走 ると黒崎神社に着く。
 もう神楽は始まっている。演目は恵比寿舞だ。 お酒も入って機嫌がよさそうなお客さんがみっち りつまった拝殿に入り、隙間を見つけて座る。 今日の恵比寿さまはいつにも増して浜の感じが する。お囃子もいつもとちょっと違って浜の湿 り気をかもしている。いい感じだな…と思って いると、舞が終わって今日の神楽はお開き。 ちょっと来るのが遅かったようだ。
 それでも、同行した「県北の芸能はいろいろ 見てきたが黒森神楽は初めて」という、岩手大 学の新入生はとても満足していたようで、「ぜ ひまた来てみたい」と話していた。終わりごろ になってお邪魔して保存会の方々には失礼して しまったが、うまいもんも食えたし良い恵比 寿さまも見られたので、私もいい気分になった。 運転手なので飲めないのは残念だったが…。  




2001年6月4日(月)
  急成長
 今日も岩手大学民俗芸能サークル“ば っけ”の新入生を車に乗せて三本柳の練 習に行く。たくさんの新入生が入ったの で一度に連れて行くわけにはいかず、2 回に分けて連れて行くことにしていた。 前々回から連れて行くようにしていたの で、今回参加した新入生はほとんどが2 回目の参加だ。
 前回・前々回と新入生の踊りを見てい て思ったのは、とても踊り方がシンプル だということ。実は“ばっけ”の新2・3 年生たちの踊りがだいぶこなれてきてい るので、「新入生も基本形の前にその型を 真似てしまうのでは」と私は心配してい た。が、「手を上下する」という基本的 な動きがきっちりおさえられて、いい感 じだった。
 ところが、今回いっしょに踊っているよ うすをみると、前回とかなり様子が違う。 早くも「上体をひねる」というのをやって いる。この動きは、私は昨年の秋頃になっ て(つまり、踊りはじめて半年以上たって から)から意識的に取り入れ始めたもの。 それを彼女らは1ヶ月あまりのうちに習得 し出している。いったいどうなっているんだ。




2001年6月3日(日)
  パラダイス
 盛岡は劇団の数が30以上だかある。演 劇の盛んな土地柄らしい。毎週(時期によっ てはほぼ毎日)どこかで上演されている。 ただ、私自身はそんなに見に行くことがな い。関心がないわけではないのだが、だい たい上演されるのが夕方か休日の日中なの で、他の予定が入ってしまうことが多い。 22時以降などの深夜にやってもらえれば 手軽でいいのだが・・・。
 そんなわけで、半年ぶりぐらいに観劇に 行く。会場は盛岡劇場。出演・題目は劇団  黒テントの「メザスヒカリノサキニアル モノ 若しくはパラダイス」。「鉄コン筋ク リート」など粘着質のマンガで知られる松 本大洋が脚本を書いた作品だ。
 裏ぶれたサービスエリアに4人のトラッ ク運転手が集まり、対話の中でそれぞれの 回想や妄想・夢が入り乱れる。それらの間 にサービスエリアでバイトをしている浮世 離れした男が介在している…といったよう な中身。
 登場人物それぞれのエピソードが説明的と いってもいいほど詳細に描かれている。その ため、それぞれのキャラクターが明確に浮か びあがってメリハリがある。
 というとロードムービーっぽい「出会いと 別れ」「俺達はどこから来てどこへ行くのか」 的な作品のようだが、もうすこし「地方都市 コミュニティー」な雰囲気をかもしている。 それは、合間合間にはさまれるラジオの深夜 放送と、冒頭と終末での運転手どうしの無線 でのやりとりとが、「媒体によってつながれ ているが、電波の波長以上には大またに歩み 寄ることのない関係」を象徴しているからか。
 同じ舞台を見た2人の方から後で感想をき いたところ、いずれも「あまりよくわからな かった」というものだった。たしかに私も、 今回の舞台についてとてもよくわかったとい うわけではない。けれども、上に書いたよう な感想を通してなんとなく自分の日々の生活 を考えてみたりもしてみた。私のようなとり たてて演劇に入れ込んでいるわけではない者 が劇場に足を運ぶのは、たいていはそんな気 分にひたりたいからなのだろう。せっかくこ ういう街に暮らしているのだから、本屋に立 ち読みに入るぐらいの感覚で演劇を見るのも 良いかな、と感じた。




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