第22回
石鳥谷まつり
第22回
石鳥谷まつり



日程:
2001年9月8日(土)〜9月10日(月)


場所:石鳥谷町市街地(好地)

内容:
 熊野神社例大祭を中心とした日詰町市街地全体のお祭り。
 芸能や山車、樽みこしなどが出ます。

 …今年の情報は直接確認していないので詳細はわかりません。ただ、山車&芸能好きの“けんちゃん”がレポートをくださいましたので紹介しておきます。
  内容は“例年の様子”を主にしており、必ずしも“今年も同じ”とは限りませんのでご了承ください。


Check the 石鳥谷まつり!!

1.出演郷土芸能
 始めに、石鳥谷まつりにおける郷土芸能の発表状況が、 実に気まぐれであることを述べておかなければなりませ ん。私はたいてい10日に見に行くのですが、年によって、 見ることの出来た芸能が違います。


1997年は、 @大瀬川さんさ踊り
 紫波町の船久保さんさ踊り系の、古型さんさです。イッパチ の教え踊りと全体の踊りのテンポの差が目立ち、躍動感あふれ る踊りとなっています。また、何より特徴的なのは太鼓の打ち 方であり、普通のさんさ太鼓の2倍ぐらいの回数、撥を合わせ ます。例えば、[ダンカトダンカトダンカトカ」が、[ダンカ トカカカトダンカトカ]となっていたりするのですが、書いて る自分も「ああ、何てわかりにくいことを…」と思っていま すので、やはり実際に見ていただいたほうがよいかと思います。 太鼓打ちは、装束も変わっていて、船頭さんのような格好をし ています。

A八幡鹿踊り(幕踊り)
 妙にひょろ長い鹿と、以上に小さな太鼓という不思議な組 み合わせの鹿踊りです。 鹿の動きも大ぶりで、擬音で表すとしたら、ばさっ、ばさっ、 という感じです。お囃子は太鼓に比例して実にささやかであり、 このようなミスマッチがこの芸能の特色といえます。古風です。 ここまで古風な芸能も珍しいのではないでしょうか。


1999年は、
B春日流八幡鹿踊(太鼓踊り)
C清美会虎舞
 石鳥谷まつりの郷土芸能で最も人気があり、また娯楽性の強 い芸能です。大槌の弁天虎舞や、釜石の一般的な虎舞(遊びと 笹喰みで構成される虎のみの踊り)の流派で、非常に丁寧に一 動作一動作を踊っています。商店街での門打ちでは「遊び虎」 をやることが多いようです。

…といったように、この芸能を見ようと思ってもなかなかお目 当てのものにめぐり合えないのです。そこで、去年(2000年)は 9日の郷土芸能パレードなるものを見てみることにしました。 ところが9日は大雨、パレードは中止で体育館での郷土芸能公 演となりました。


で、2000年は、
D五大堂神楽
E種森神楽
 笛の無い、たいこと手振りガネでの権現舞でした。種森神楽で は獅子の鳴き声を表す笛(擬音一辺倒のもの)を吹きます。
F干刈田神楽
 雌雄二匹の権現を使っての権現舞で、歯を打ち鳴らす音も轟々 たるものでした。笛のメロディーもなかなかよかったです。

 このあと、同好会や愛好会といった枕詞のつく団体のさんさ 踊りが2,3あり、纏(まとい)振りなどが披露され、大瀬川さんさ踊りが 踊られました。そのあと、

G大瀬川奴踊り
 化粧まわしをつけたかわいらしい女の子の踊りです。毛槍を取 っては緩やかに踊り、手踊りになると軽やかに舞います。決して 激しくはありませんが、独特の空気を持った面白い芸能です。北 上みちのく芸能まつりで口内薩摩奴踊りや立花八士踊りをご覧に なった方は、それらとはまた違った芸風のこの芸能を見てみるの もよいかなと思います。

 そして、春日流の太鼓系鹿踊りが2つ続き、清美会虎舞がトリ をとる、といった感じの2時間半でした。清美会の笹喰みはここ ではじめて見ましたが、盛り上がりのあるドラマチックなもので した。以上9つが石鳥谷祭りで見られる郷土芸能になります。


今年は…?
 郷土芸能パレードは、9月9日の午後4:30ごろから、石鳥谷 商店街にて…と思われます。参加団体は上にあげた団体のどれかと見て、 まず間違いないでしょう。門打ちの大まかな日程…あまりあてにな りませんが、
 9/8 夕方〜夜8:00ごろ  春日流八幡鹿踊
 9/10 午後4:00ごろ〜6:00前 石鳥谷清美会虎舞
という感じです。


2.山車
 石鳥谷の山車は、ここ5・6年で大変よくなりました。演目も、 盛岡でおなじみのものばかりだったのがすっかり変わって、こ こでしか見られないような演目がちらほら出てくるようになり、 今ではすっかり独自の空気を形成するに至っています。技術の 向上も著しく、各組に独自の作風というものが生まれました。 これから順に述べていきます。

@中組
 上薬を使って光沢のある白面に仕立てるのが、中組の特徴で ありまして、当然顔の白い人形を使うという都合上、歌舞伎の 演目が多くなります。以前は武者物も多かったのですが、今で はほとんどやりません。ひょっとして今年あたりやるかもしれ ませんが。見返しも、基本は表裏一体。珍しい歌舞伎狂言をか たどったものが多くなってきました。
(過去の名作 「毛抜」「日本銀次」 見返し「お嬢吉三」 「猩々」「錦の前」「女鼠小僧」「恵比寿」)

A下組
 平成7年から自作を開始。特徴は、人形がとてつもなく大きい こと。歌舞伎演目を取り入れるようになってからは更に大きく なって、縦長の山車になっています。顔が独特で、平成7年以 前も顔だけは自作というこだわりを感じるエピソードもあります。 見返しにもこだわっていて、もう他では見られないレベルまで 来ています。
(過去の名作 「熊谷陣屋」 「紀伊国屋文左衛門」 「朝比奈 三郎」 「島の為朝」)

B上和町組
 アイディア力bPの上和町組です。他の地域に見られる演目も、 まったく違った解釈で作り直しており、それ以上に珍しい演目 が非常に多いです。大河ドラマの一場面を取り入れたりするこ とも多く…そうですね、過去の名作から幾つか紹介しましょう。
(大河ドラマからの演目 「忠臣蔵」 「政宗出陣」 「秀吉」)
 おそらく何年に出た山車かお分かりいただけるのではないで しょうか。人形はマネキン風なのですが、町内会の方の手作り だそうです。だからこそ、ここまでの工夫が出来るのではない でしょうか。最後に昨年のパフォーマンス、遠山の金さんの山 車を引くとき、松方弘樹のきめ台詞をテープで流していました。
(過去の名作 「弁慶立ち往生」 「遠山桜」 「双面道成 寺」 「安宅関 杖折檻」)

C上若連
 石鳥谷で最も上手な山車を出す組です。二体の歌舞伎ものは 前後に張り出して奥行きがあり、竜や馬などの大道具は大きく、 全体のバランスも絶妙です。顔もよく、照りがある見返し人形 は文楽の格調があり、なかなかお目にかかれるものではありま せん。岩手全体の山車を見てみても、ここまで出来のいい山車 を出せる組はそうそう多くいるものではありません。ぜひ一度 ご覧になって、岩手の山車もいいもんだなあと思っていただき たいと思います。もう木偶人形とは言わせません。
(過去の名作 「車引」 「鳴神」 「景清」 「助六」  「羅生門」 「鎧引」 )

D西組
 手作りがウリの町内会の作品。技術的に未熟な所はありま すが、みんなで作った山車を引こうというその心意気がいい じゃないですか。10年、20年先に、いい山車を出すよう になるなあと、今から楽しみにしています。10日の夜しか 見れないようなので、ご覧になりたい方は10日のパレード でどうぞ。
(昨年の演目 「八岐大蛇(やまたのおろち)」/「奇稲田 姫(くしなだひめ)」)


★見どころ
 5台の山車の競演を見るなら3日目の夜6時、風流山車合 同パレードで。キャメルマート前で必ず音頭をあげますし、 山車の解説もアナウンスします。裸電球の照明や、御神灯な ど、石鳥谷ならではの装飾が映えるのも夜です。何より、引 き手のはりきり方が違いますので、祭りの一番いい雰囲気を 味わえるのではないでしょうか。その他の日に行こうという 方には…
 8日pm4:30ごろ 上若連・中組・下組の3台の山車が駅前をパレード
 9日pm2:00〜4:00 上若連・中組・下組の山車が商店街巡行
 8・9日 夜 pm7:00ごろから町内を自由運行
※上和町組の山車はめったに町内には上ってきません。 唯一の機会は(パレードを除く)…
 8日pm2:00ごろ、他の3台の山車とともに上和町にのぼります。



テキ屋もcheck it out!!
 石鳥谷では、商店街に的屋が並びます。
山車や芸能とともに、的屋ならではのお祭りの味も楽しんでください。


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う〜ん、文章がすっかりお祭りモードだぞ。
…というわけで、けんちゃんに感謝。
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